1 福山市の概要
福山市は、瀬戸内海沿岸のほぼ中央で広島県の南東部に位置する人口約46万人の中核市であり、新幹線のぞみが停車するJR福山駅や国の重要港湾である福山港のほか、高速道路網が整備され、広島空港や岡山空港からのアクセスもよく、中国・四国地方の交通機能の拠点となっています。
市内には、瀬戸内を代表する景勝地である「鞆の浦」や築城400年を迎え令和の大普請が完了した「福山城」、100万本の「ばら(市の花)」など、豊かな自然に育まれた歴史と文化のまちです。
また、鉄鋼業を中心に多種多様な製造業が集積する「ものづくり」のまちとしても発展しており、近年、日本一の生産量を誇るデニム生地は、世界のハイブランドにも活用されるなど、高い品質が評価されています。
2 MICE推進に向けたこれまでの取組み
当市では、2013( 平成25) 年4月に(、公社)福山市観光協会を(公社)福山観光コンベンション協会に組織改編し、新たにコンベンション事業の取組みを開始しました。 また、2019 (令和元) 年6月からMICE誘致に関する高い専門性を持った人材を外部から登用し、施策の立案及び実施について助言を受けています。
その後、さらに官民一体となってMICEを推進するため、2020 (令和2) 年3月に、めざすべき姿や戦略などを取りまとめた「福山市MICE戦略」を策定しました。
本戦略では、ものづくり企業が集積する当市の強みを生かし、新しいビジネスやイノベーションの機会を呼び込めるよう、産業分野をターゲットとした誘致や、大規模な専用施設を整備するのではなく、既存の施設や地域をMICE会場に見立て、魅力あるMICEに仕上げることなどを掲げています。
また、当戦略に基づく誘致活動及び受入体制の強化に取組むため、同年12月に観光、宿泊、交通事業者などが参画する「福山市MICE推進協議会」を設立しました。MICEの推進を当市の重点施策に位置づけ、MICE誘致を組織横断的に一層推進する体制を確立してきました。
2022 (令和4) 年度には、駅直結のコンベンション施設を持たない当市の弱点を補うため、MICE会場までの送迎やプレ・ポストプログラムのためのバス手配に対する助成制度を創設し、福山を拠点に倉敷、尾道、広島などの周辺観光地を巡る「瀬戸内のクロスポイント」としての利便性を生かして、MICE誘致都市としての競争力強化を図りました。