月刊「MICEJAPAN」

2024年9月号
JNTO2023年度国際会議誘致・開催貢献賞 開催の部「第29回国際高血圧学会」

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各国の情報を交換し、自国の学術振興につなげる
高血圧は最も患者数が多く、感染症以外の病気の中で死因の第一位です。日本でも血圧が140-90以上の高血圧症の患者は、国民の3人に1人に当たる約4,500万人。血圧の目標値である130-80未満へのコントロールができている患者は約1,200万人。つまり治療率約25%の日本の現状は、患者数が多く、血圧コントロールができていない患者が多いのです。

先進国の中で治療が最も進んでいるのはカナダや韓国で、治療率は50%に迫ります。ドクターの質も良く、薬も簡単に手に入るのに、日本は先進国の中で治療が進んでいない。その背景にはそもそも受診をされない方、食生活が良好でない方、あるいは治療や指導を受けても放置される方など、さまざまな社会的要因が複雑にからみあっています。しかし世界に目を向けると医療機関がない、薬が手に入らない、食物コントロールができないなど、さまざまな社会環境の中で高血圧は非常に大きな問題となっているのです。

ところで、皆さんは「高血圧イコール食塩」と思っていらっしゃいませんか?確かに日本の場合は、和食に塩分が多く含まれることが高血圧症の一つの要因です。しかしなぜこんなにも高血圧の患者が多いのか?お気づきでない方が多いと思いますが、今、最も大きな要因は実は肥満なのです。

高血圧は世界的に非常に大きな問題でありながら、国ごとに事情が異なることから、世界にはそれぞれの国に高血圧学会があります。ならば、国際高血圧学会がなぜ必要なのか?隔年で開催される国際高血圧学会は、各国の事情に即した異なる研究や取組みの情報を交換・比較できるいわば他国から学ぶ機会として、各国の高血圧の治療に資する大きな意義があるのです。

各国の情報を交換し、自国の学術振興につなげる
何もかもが流動的、先が読めない苦労

2020年にグラスゴーで開催された前回大会は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い半年遅らせてリアル開催を予定していたのですが、世界的なパンデミックの中で完全オンライン開催へ移行しました。第29回大会は、2022年10月。新型コロナ感染症患者数が減ってきた時期で、ビザの取得も免除されました。結果として、参加者はリアルとオンラインをあわせて約2,600人。海外からの参加者は約1,500人。それぞれ約半数が、オンライン参加でした。当時を振りかえると、何もかもが流動的な中で方針決定にも苦慮しました。

 


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