月刊「MICEJAPAN」

2026年7月号
大学生が企画提案・運営 MICE人材育成プログラム「YOKOHAMA MICE Challenge」

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MICEでのアトラクションを大学生が企画提案・運営
MICE人材育成プログラム「YOKOHAMA MICE Challenge」

横浜市 にぎわいスポーツ文化局 観光MICE振興部 観光MICE振興課 : 橘 亮佑


1. 横浜市内の大学生が
MICEを「体験」するプログラム

横浜市では、学生がMICEを知識として学ぶだけではなく、実務の現場に関わることで理解を深め、将来の進路や関心につなげることを目的とし、市内の大学生と連携した、MICEに関する課題解決プログラム「YOKOHAMA MICE Challenge(以下、YMC)」を実施しています。 3 ~ 5名でチームを組み、レセプション会場や展示会場において、開催されるMICEのテーマに関連したアクティビティや、市内の取組及び横浜を広くPRできるコンテンツについて、学生ならではの視点を活かし、企画してもらいます。企画した内容は、学生がMICE主催者にプレゼン・提案を行い、企画実証についても、当日に自ら運営し、参加者の対応まで行います。


YMCでは、学生自身の関心や視点を起点とした企画立案を重視し、主体的に考え、行動する機会を提供することを大切にしています。学生は主催者や関係者との意見交換や企画実証の機会を通じて、企画を具体化・実装していく実務プロセスを経験することで、MICE事業の構造や現場を知り、求められる視点を学ぶことができます。大学で学んだ知識を実践することができ、海外参加者の対応を通じてグローバルな感覚を養うことができる側面もあります。さらには実際に実務家と一緒に仕事をすることで、将来のキャリア選択の参考になります。本市にとっても学生ならではの発想を取り入れることで、新たなMICE誘致・開催支援の形が生まれるとともに、横浜市の観光MICE施策を学生に対してPRできるため、横浜のブランディングにもつながると考えています。


2. YMC実施の背景

地域や産業と関連した将来を担う若い世代の成長機会を創出することは大きな課題であり、次世代育成に資する取組の推進は重要なものです。特に、MICE産業は知名度が低く、人材の確保・育成が喫緊の課題となっています。そこで、MICEの現場に触れる機会が限られている大学生や若手層に対し、業界理解を促し、将来におけるキャリアの選択肢として認識してもらうことは非常に大切なことだと考えています。


このような背景から、次世代育成の推進とMICE産業の活性化を両立させる取組として、YMCを実施しています。


3. YMCの実績

YMCは令和6年度に市の直営によるパイロット事業としてスタートし、横浜市立大学の学生4名が参加しました。6月に大さん橋ホールで開催された「MSEAS国際会議」のレセプション運営支援を行い、8月に「生物多様性国際ユース会議」にてエクスカーションの企画・運営を行いました。


令和7年度からはMICEのプロフェッショナルであるPCOが事務局を担い本格的に事業を開始し、学生はプロの伴走支援を受けながら国際会議における企画・運営を行いました。神奈川大学、國學院大學、横浜市立大学の3大学から合計12名の学生が参加し、横浜市内で開催された「PICES2025」「アジア・スマートシティ会議2025」「第38回日本内視鏡外科学会総会」の3つの国際会議にて、アトラクションを企画、当日の運営を行いました。


4. 令和7年度の実施内容

YMCに 参 加 す る 学 生 の 多 く は、MICEについてほとんど知識がありません。そのため、まずは事業概要の説明やMICEに関する基本的な講義などを行うオープニングセッションを実施しました。また、MICEの現場を肌で感じるため、国の名勝に指定されている三溪園やTICAD 9併催イベントなど、MICE関連施設や展示会の見学といった、企画提案のイメージを掴むための視察型研修を実施しました。


この研修で身につけた知識や経験をもとに、各会議の主催者へ提案するため、チームごとに打合せを重ねて企画をまとめました。企画提案を受けた主催者からは様々なフィードバックをいただくことができ、質の高い企画実証に向け重要な機会となりました。


学生は企画の練り上げと準備を本番直前まで行いながら、各国際会議での実証当日を迎えました。海洋をテーマとした「PICES2025」では、本会議会場にて廃版海図を利用したコングレスバッグを配布するとともに、レセプション会場にて日本文化(縁日)体験を通じた横浜の魅力PRや横浜におけるSDGsの取組についてアピールしました。循環型都市をテーマとした「アジア・スマートシティ会議2025」では、牛乳パックをリサイクルした和紙ハガキに参加者がメッセージを書き、事前に用意したオリジナル切手を貼ったものを会場周辺のポストに投函してもらう企画を実施しました。横浜の街を参加者に周遊してもらうという体験を提供するとともに、企画を通じて、環境への意識を高めました。「第38回日本内視鏡外科学会総会」では、横浜市、学会、横浜銘菓にまつわるクイズを出題し、正解数に応じたお菓子を提供しました。学生が作成した年表を参考にクイズを解き、お菓子を提供することで、参加者同士の交流を促し、横浜の観光や横浜銘菓の購買を促しました。


 


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