
金田 本日は、PIERS 2025 Chibaの誘致から開催成功までを振り返り、「大規模国際会議開催の達成」にとどまらず、なぜ千葉で開催する意味があったのか、そしてその成功を次の誘致や都市の成長、人材育成へどうつなげていくのかを、皆様と一緒に掘り下げていきたいと思います。
PIERSは、海外参加者比率が極めて高く、研究・産業・人材・都市の受入れ力が同時に問われる国際会議です。その舞台として千葉が選ばれ、しかもコロナ禍という不確実性の中で誘致を勝ち取り、世界水準の運営として着地させた。このプロセスには、国際会議開催地としての日本にも多くの示唆があるはずです。
そこでまず、主催者、ローカルホストとして誘致・開催を牽引された小林先生に、「なぜ千葉を選び、どう勝ち筋を組み立て、どこに成功の決定打があったのか」を伺いたいと思います。
小林 世界中がコロナ禍の影響を受けていた2021年、ちば国際コンベンションビューローのご担当者とお話をする機会があり、「PIERS(フォトニクス・電磁波工学に関するシンポジウム)を、再び日本で開催したい。日本開催4回目を、千葉に誘致しよう」と誘致に向けた提案書作成が始まり、2022年に立候補しました。PIERSも2022年はハイブリッドで、2021年はオンライン開催。このような中での立候補となり、現地でのプレゼンテーション機会がなく、メールやZoomを通じた提案を行い、複数の競合都市を破り、7年ぶりの日本開催が決定しました。
まず、「なぜ千葉なのか」。一つはご存知の通り、メジャーな国際空港が近く、世界からのアクセスが非常によいこと。次に、光や電波の研究者や機関が集積し、日本の政治・経済・産業、あらゆる面で日本の中心である東京に非常に近い地理的メリットが大きな魅力でした。また幕張メッセは一歩外に出ると、ショッピングセンター、多様なレストランなど、滞在に必要な全てが揃う利便性のある会場です。例えばランチも、実際は各セッション会場にお弁当を用意しましたが、外へ出かけたい人もいます。ランチタイムの1時間に会場の外で昼食を楽しみ、リフレッシュして午後のセッションに戻れる幕張メッセの地理的なレンジが参加者に高く評価されました。
ちなみに、PIERS 2025 Chibaは1,638人の参加を迎えました。うち342人が日本人参加者で、実に3分の2以上となる1,294人が海外参加者(47ヵ国地域)です。これほど外国人比率が高い会議は、そう多くはありません。PIERS2025 Chibaでは、多くの外国人参加者が観光やショッピングに繰り出し、千葉県の産業や文化に触れる体験を楽しんだようです。