2千年にさかのぼるアジアとの交流の歴史が独自の文化や個性を育んできた福岡。国内屈指の若者率と学生率を誇る福岡市は、イノベーティブな活気にあふれるスタートアップ拠点としても注目を集める
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アジアの成長を支え、世界とつながるビジネスハブとして存在感を増す中、MICEを成功に導くための施設整備をはじめとする環境整備が進む福岡市は、グローバルMICE開催地としてのポテンシャルも高まりを見せている。これに呼応し、福岡市のMICE振興を担う人材育成プログラム「福岡グローバルMICEスクール」に取組む。
今号では「福岡グローバルMICEスクール」について、福岡観光コンベンションビューローに聞いた。
━━ 今年は「世界水泳選手権2023福岡大会」が開催されるなど、改めて全世界の注目を集めた「福岡市」ですが、本日はグローバルMICE都市「福岡」のさらなる発展を支える人材育成についてお話をお聞かせいただきたいと思います。その前に、最近のトピックスについて、お聞かせいただけますか。
福岡では、九州最大の繁華街である天神地区で高さ制限の緩和を行う再開発プロジェクト「天神ビッグバン」が展開されており、その目玉の一つが「福岡大名ガーデンシティ」です。ここに6月、九州初進出となるザ・リッツ・カールトンブランドホテル「ザ・リッツ・カールトン福岡」が開業しました。全室50㎡以上の147室のゲストルームと20室のスイート、総738㎡(9室)のイベントスペースを備えるラグジュアリーホテルです。
ガーデンシティには、イベントホールや大型ヴィジョンを併設する「福岡大名ガーデンシティ・パーク」やビジネスシーンの用途に応じて選べる9室からなる「大名カンファレンス」も先行開業しています。
また福岡空港では、2025年3月供用開始をめざして「全長2500mの第2滑走路増設」と「国際線ターミナル増改築」など、福岡市で進行中の大規模プロジェクトが完了する2025年をゴールとして、MICEデスティネーション「福岡」は日々、進化を遂げています。
━━ MICEはハード・ソフト・ヒューマンに支えられますが、福岡では学生を対象とした「福岡グローバルMICEスクール」を展開されているとのこと。この取組みの背景や狙い、内容についてお聞かせください。
「福岡グローバルMICEスクール」は、2019年度より福岡市との共催で始めたプログラムです。2019年は「ラグビー・ワールドカップ」が開催され、多くの外国人観光客が福岡に訪れる。この機会を活用してMICEにかかわる幅広な産業を強固なものとしたい。そのためには「人材」が必要。
福岡市には多くの大学がありますが、就職で福岡から出てしまう学生が多いのも現実で、地元産業の受け皿としてMICEへの理解を深めたい、また「人材育成」はビューローが取組むべき事業の大きな柱の一つという認識から事業化に至りました。