コアPCOの強みを生かしビジネス領域を拡大
金田 コアPCOとして知られるMCI。日本においては、MCI-JCS Japan(以下:MCI-JCS)が活動を展開されています。MCIまたMCI-JCSでは、大きく変化した現在の世界市場、その潮流をどのように捉え事業拡大を図られているのでしょうか。
荷宮 MCIは、これまでMICEイベントの運営をコアビジネスとしてきました。しかし2020年にCEOから「お客様の課題の本質をきちんと捉え、その課題を解決するためにイベント以外のソリューションをもつこと」という発信がなされ、「マーケティングエンゲージメントエージェンシー」へと転換しました。
そもそも「イベント」は組織の課題を解決するための一つのツールで、開催そのものが目的ではありません。つまり、我々がめざしているビジネスは、「お客様が抱える本質的な課題を解決する」こと。この課題を解決する手段である選択肢がイベントだけでは、マーケティング領域でのパイが狭まります。そこでマーケティング全体を捉えたコンサルティングやサービス提供など、社会的価値の提供に応えられる組織へと変化しているのです。
例えばアソシエーションからは、コアPCOとしてイベント運営業務が求められますが、MCIではアソシエーションの課題を「会員の獲得」、「アソシエーションの財産や知識をどのようにマネタイズしていくのか」の2点に整理しています。プログラム実施にあたってはこれをもう少しブレイクダウンして、例えば会員数が増えない原因はアソシエーションのブランディングに問題があるのか?それとも発信力が弱く、会員外からの注目を得られていないのか?あるいは現在のコンテンツが会員や対象者に刺さっていないのか?といった課題の分析を行います。このように課題を解決するソリューションを合わせ持つコアPCOをめざし、MCIは2020年からアソシエーション向けのコンサルティングプログラム(F.A.S.T)を展開しています。