月刊「MICEJAPAN」

2022年9月
ユニークベニューの活用 ~クライアントが求めるもの~

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森本 日本でのMICE開催、中でも企業イベントであるミーティングやインセンティブについては、海外クライアントとその旅行を取扱う旅行会社からのRFP(Request For Proposal)は、まずは日本の旅行会社やDMC(Destination Management Company)に送られます。つまりDMCはユニークベニュー提案の最前線に立ち、多様な案件を手掛けることで直面する課題解決にもチャレンジし、関係者とのネットワークを拡大し、クライアントの生の声を含めた貴重な情報、ノウハウを蓄積されています。そこで本日は、ユニークベニューを活用した数々の事例を手掛けてこられたDMCであり、また私自身もそうですがインセンティブに特化した国際団体であるsiteの会員としてネットワークやナレッジを広げられているMICEビジネスのエキスパートである徳田さん、Jamesさんにお話を伺いたいと思います。まずは自己紹介とユニークベニューとの関りについてお話しください。

James 私はイギリスの出身で1991年、中学生の時に初めて日本を訪れ、その鮮烈な体験から「もう一度日本へ行く」と決心しました。MICE業界との関りは、2003年に京都文化交流コンベンションビューローで国際マーケティングに携わったことが始まりです。当時、大学の先生など国際会議主催者から海外での会議開催の事例を伺う中で、京都、日本の財産を活用したおもてなしの重要性を理解していた京都は、社寺の積極的な活用など日本におけるユニークベニューへの取組の最先端にあったと思います。中でも日本映画の歴史に触れながら世界ともつながることができる東映太秦映画村を使ったパーティは、非常に興味深く印象に残っています。

10年間、ビューローで国際会議を中心にMICEビジネスに携わりましたが、会議の予算が縮小傾向にありユニークベニューの活用などデスティネーションの文化を存分に感じていただく機会が減少する中で、インセンティブ旅行に大きなポテンシャルを見出し、THE J TEAMへ移籍しました。

ここではプリンスホテルを貸切る大型グループの会議イベントで、他社との差別化を模索していた参加企業が都内のあるお寺の歴史に共感し、ぜひこのお寺でイベントを開催したいと熱望。そこで、イベント会場として使わせていただけないかと何度もお願いに行きました。何度も通ううちに熱意が
伝わり、結果、そのお寺で初めてとなるMICEイベントを実現することができました。

徳田 私は1990年、パシフィコ横浜の立ち上げから携わり、複合施設の営業担当者としてMICE全般に関わってまいりました。パシフィコ横浜は、イベントによる集客を「みなとみらい」に滞留させ、これにより地域経済が潤うという循環を生み出す街づくりの拠点施設でもあります。当時より全国で「MICE(当時は総称として「コンベンション」が使用されていました)は地域活性化の切り札」として着目され、MICEが開催されることで生み出される経済効果に大きな関心が寄せられていました。

私がパシフィコ横浜での業務を通じて感じたことは、参加者の消費はもちろんですが、イベント開催で消費される主催者の事業費にもっと着目するべきだということでした。すそ野の広い産業が関わることができ、消費額も大きいものでした。

 


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