2020年は、他の業界にたがわずMICE業界にとっても大きな苦難の年でした。新型コロナによるパンデミックは、展示会やイベントを事実上停止させ、会場や主催者からサプライヤー、出展者に至るまで関係者全体に重大な損失をもたらしました。
関係者のさまざまな感染症対策の構築と実行により、日本ではなんとか展示会やイベントが再開されましたが、まだ完全復活からは程遠い現状です。展示会やイベント開催にはまだ多くの制限があり、海外からの渡航制限も加わって、インバウンドビジネスは特に大きなダメージを受けています。 主催者、出展者、来場者などすべての関係者が感染を恐れずに展示会やイベントに参加することができると確信するまで、厳しい状況が続くでしょう。今後どういったことをしたら状況を改善できるでしょうか?
これまでイベント会場をより安全なものにするために、さまざまな解決策が提案されてきました。これらの中には、イベントを再開する準備ができていることを示すために、政府、業界、または施設のいずれかによって作成されたガイドラインとプロトコルがあります。これらは確かに価値がありますが、一般的に自己作成され、コンプライアンスを確保するための第3者による専門知識や監査プロセスが不足しています。
本当に必要なのは、全世界に認められ、同時に現地の基準にも適応して、資格を所有したバイオリスクの専門家によって確立と精査された第3者による認証制度です。この度ご紹介するGBACSTAR™プログラムは、新型コロナやその他の感染症の脅威と戦うために、2020年5月に米国で設立されました。
GBAC はGlobal Biorisk AdvisoryCouncilの略で、この認証制度を制定した評議会のことで、米国・シカゴに本部を置く国際衛生供給協会(ISSA)の一部門です。ISSAは世界規模のネットワークを持っており、そのリソースを使用してGBAC STAR™認証をグローバルに推進し、さまざまな施設や組織がバイオセキュア環境を設け、事業運営をできるように支援することに取り組んでいます。