月刊「MICEJAPAN」

2020年9月
Aichi Sky Expo開業1周年 1年間の成果と未来へのMICE戦略

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トヨタ自動車、三菱航空機、デンソーなど、さまざまな産業分野の有力企業の拠点として知られる愛知県。自動車産業(全国シェアの41.8%)、航空宇宙産業(航空機および関連部品の製造:中部5県で全国シェアの約50.0%)、ロボット産業(製造品出荷額等:愛知県・岐阜県・三重県・静岡県の4県で全国シェアの21.1%)を中心に、製造品出荷額等は約48兆7,220億円にのぼり、1977年以来、42年連続で日本一と、愛知県は他の追随を許さない圧倒的なモノづくり産業の集積地「日本の産業首都」として世界に名を馳せている。

その発祥は、江戸時代この地域で盛んであった「からくり人形」づくりにさかのぼる。ロボットのルーツとも言われる「からくり人形」から和時計、自動織機、自動車製造へ。この地域に脈々と受け継がれてきたモノづくりのDNAが、日本の産業首都・愛知を形成してきた。このモノづくり産業の集積が新たな集積を呼ぶことで、イノベーションが好循環を生み、引き続き日本経済を牽引する成長エンジンとしての役割を担っていくことが期待されている。

さらに、愛知県は東京と大阪の間に位置し、リニア中央新幹線(品川~名古屋、2027年度開業予定)など充実の鉄道網や東名高速道路・新東名高速道路を中心とした高規格道路網に加え、中部国際空港や大型クルーズ船の接岸が可能な埠頭を擁するなど、国内はもとより世界に開かれた交通結節点として抜群のアクセスを誇る。「名古屋国際会議場」や「ポートメッセなごや」など充実した施設と、「愛・地球博(2005年日本国際博覧会)」や「生物多様性条約第10回締約国会議(CO10)」、「G20 愛知・名古屋外務大臣会合」など数々の催事・会議開催実績をベースに、MICE開催地としての魅力が注目されている。

そして2019年8月、空の玄関・セントレアに、世界を魅了する展示場「Aichi Sky Expo」が誕生。日本初の国際空港直結の展示場であり、我が国唯一の常設の保税展示場であるAichi Sky Expoは、東京ビッグサイト、幕張メッセ、インテックス大阪に次ぐ国内第4位となる展示面積6万㎡の国際展示場だ。その運営は、GL eventsと前田建設工業で構成する愛知国際会議展示場(株)が担う。愛知国際会議展示場(株)の代表企業「GL events」は、フランスのリヨンに拠点を置き、世界各地で50ヵ所の施設(展示場、コンベンションセンター、レセプション専用施設、多目的施設など)を運営するほか、フランスでヨーロッパ最大級の産業展示会「グローバルインダストリー」※を主催するなど、展示会産業において世界有数の主催運営企業。一方、「前田建設工業」は、1919年の創業以来、建設事業を基盤に事業を展開し、愛知道路コンセッション(株)の立上げなど日本におけるコンセッション事業、PFI等の先駆的企業である。コンセッション方式(PFI法に基づき、公共施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する手法)による15年という長期の運営期間を生かし、GL eventsと前田建設工業のそれぞれの強みやネットワークを駆使しながら、Aichi Sky Expoの効率的な運営はもとより、愛知県をはじめとする関係機関との連携によりMICEデスティネーションとしての競争力を強化し、「産業首都」愛知から世界に向けて新たな磁力を生み出そうとしている。

こうした取組の一つとして、「Aichi Sky Expo需要創造会議」が立ち上げられ、Aichi Sky Expoを活用した展示会産業の活性化のための戦略や受入体制の充実について、地域の関係者と意見・情報交換し、連携・協力の強化に向けた検討が進められている。

 


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