去る2020年2月21日東京・有楽町の帝国ホテルでTCEB(Thailand Convention Exhibition Bureau) JAPAN Road Show2020が開催された。
タイの5年間のMICE戦略マスタープランから、展示会ビジネスをどのように拡大していくのかについて、タイ政府のポリシーが明確に伝わる会となっていた。「日本の展示会産業はどのように拡大していくべきなのか?」についてお考えの方も多いと思う。参考になる点があるのではないかと思うのでこの場で報告させていただくことにした。
本来はTCEBの関係者以外にタイの展示会主催会社5社・団体が参加することとなっていたが、皆様ご存知のとおり、コロナウイルスが猛威を振るい、アジア各国も「日本からの来訪者の入国を禁止する」という措置が取られ始めたタイミングであったため、結果的に3社・団体のみが来日した。逆の立場であったら、行っただろうかと考えると、勇気を持って来日したタイの方々に敬意を表したい。もちろん、周辺を含めてコロナウイルスに感染した人はいないが、それでもメディアの報道を見たら怖かったに違いない。日本の展示会業界からも52名が出席した。こちらも政府からのイベント開催中止要請が出る直前のことであったから、まさしくギリギリセーフといったタイミングであった。
さて、実際の帝国ホテルの当日の様子はと言うと、至って平和的な雰囲気で始まった。Mr. Singtong Lapisatepunタイ王国日本大使閣下が開会の挨拶をされ、ホスト側である日本展示会協会から国際化推進委員会のクリストファー・イブ委員長の歓迎の挨拶があった。続いて、TCEB展示部のDirectorであるMs. Kanokporn Damrongkul( ケリー)から、「タイの展示会産業を前進させるための政府政策」と題したプレゼンテーションが行われた。このプレゼンテーションはタイの国家戦略に位置付けられているMICE政策を反映した素晴らしいプレゼンであった。我々も参考にさせていただきたいと思ったいくつかの点をご紹介する。
数値化:MICE業界でよく聞かれる数値に「M」「 I」「 C」「 E」それぞれの市場規模や参加者の消費額などがあるが、企業活動の一部であったり、個々の内容に大きく差がある事から、予算や消費額の情報が表に出ることは少ない。海外の業界団体も一部の経済効果以外の数値は発表していない。一方で、MICEの重要性を証明する必要にせまられる機会は増えている。タイは自国を「ビジネスイベントにおけるASEANのNo.1」と標榜している。