月刊「MICEJAPAN」

2020年5月
国際会議協会(ICCA)通信

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国際会議協会(ICCA: International Congress and Convention Association)は、国際会議ビジネスに関わるMICE 施設・行政/コンベンションビューロー・PCO / DMC・その他サプライヤーで構成される国際的な産業団体です。1963年にヨーロッパで発足して以来、MICEビジネスの成長とともに全世界に拡大しており、現在は約100か国1,100団体が加盟しています。

現在、アジアパシフィック部会は会員数が280団体を超えるICCA 最大の部会となっており、私2016年からアジアパシフィック部会担当理事に就任しています。新型コロナウイルスの甚大な影響でMICEのみならず社会・経済のあり方が変わろうとしている中、ICCA会員の間でも「コロナ収束後、もしくはコロナと共存していくMICEのあり方」について活発な議論が行われています。今月から不定期連載「ICCA 通信」を通じて、ICCAの動きをお伝えします。

アジアパシフィック部会EXCO選挙

ICCA アジアパシフィック部会では、2 年に1 度、執行部(EXCO: Executive Committee)の選挙が行われます。今年3月にEXCO選挙(2020-2022)が、1団体1票のメール投票によって行われました。MICE誘致のプロフェッショナルの団体だけあって、候補者は綿密な戦略を練って選挙に臨みます。国際会議の誘致と同様に、選挙にあたっては、まず票田(投票権を持つ会員の分布)を把握します。ICCAウェブサイトに掲載されているメンバーの情報をもとに、国別・業種別のマトリックスを作成しました。

業種別にみると、最も多いのはvenues(MICE施設)であり、特に中国での多さが際立ちます。また、国別にみても中国会員が86団体と、アジアパシフィック部会における圧倒的な存在となっていることがわかります。日本は36団体と、2番目に大きなコミュニティではあるものの、中国の半分以下となっています。

このような状況の中、私が立候補したDeputy Chair/Treasurerポジションには中国からの立候補者(1名)がおられたため、私自身が現職であるにもかかわらず、かなりの接戦となりました。選挙にあたっては、各候補者がどれくらいの支持を得ているかを把握するための「票読み」が重要です。会員の反応を詳しく見るため、一斉メールではなく個別メールを配信することにしました。

しかしながら、刻々と状況の変わる中、どのようなメッセージを伝えるかについてはずいぶん悩みました。そうこうするうちに、オリンピック・パラリンピック東京大会の延期が決まったことで背中を押されることになり、「1年後の東京大会は感染症を克服した勝利の祭典になる。そのためにもICCAとしては前向きなセンチメントを作り出していくべきであり、社会・経済が大きく変容していく中で、新しいMICEのあり方について議論していきましょう」というメッセージを出しました。
 
この頃、すでに多くの国では外出制限が徹底されており、行動を制限される中、今回の投票率は過去最高の48%となりました。そんな中、なんとか当選・続投が決まりましたが、個別のやりとりをもとに票読みした結果、やはり日本ICCA会員の投票率が高かったことが、今回の勝因につながったと考えています。

 


▼ 続きは本誌でご覧ください。
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