―　MICEデスティネーションとしての東京の魅力についてお聞かせください。
山﨑　MICEデスティネーションとしての東京の魅力、東京が選ばれる理由は、第一に「集積」にあると考えます。大小のMICE施設や多様なホテル、ユニークベニュー、商業施設等、また大学や研究機関、企業などローカルホストを含むステークホルダー、さらに高度な技術力を生かした産業が集積する東京には、MICEを開催いただくための素地が整っています。加えてMICE参加者にプラスαの楽しみを提供する「食」に関しても、和食のみならず非常にインターナショナルなことも特徴で、ミシュラン星付き飲食店・レストランがパリを抜き「世界一星の多い都市」となりました。東京には、このような高品質なサービスを提供する付加的な魅力が集積し、参加者の満足度に貢献しています。 開催目的に応じて豊富な選択肢をご用意できることは、競合都市との熾烈な競争の中で東京が選ばれる「理由」であり「魅力」であると感じています。

さらに東京には2020年3月に国際線発着枠が大幅に拡充される羽田空港、第3滑走路の新設整備が進む成田空港を擁しており、世界中からのアクセスがより便利になります。

そして何より、MICEのプロフェッショナル集団である東京観光財団の存在と手厚いサポート。こうした点を柱に、MICEデスティネーションとしての東京を世界に発信すると共に、この魅力をさらに強化したいと考えています。

藤村　浅草寺とスカイツリーというように、東京には伝統と革新を体現する魅力的な観光地が多数あり、都内であればいずれも移動に30分程度です。こうした「集積」と「選択肢」は、例えば東京と他都市との連携による受け入れの中で、主催者の開催目的に他都市がどのようなポイントでフォーカスされても、それとは異なる価値提供のご提案が可能な東京の強みです。

―　より競争力のあるデスティネーションに向けて、取組まれている課題もあるのではないでしょうか？そこでMICE振興のための戦略についてお聞かせいただけますか？

山﨑　2015年に策定した「東京都MICE誘致戦略」に掲げる数値目標としては、2024年ごろまでに世界トップ3に入る年間330件の国際会議誘致があります。アジアの競合が大きく力をつけていますが、誘致件数については順調に推移しております。

東京都がMICEに取組む理由は、高い経済波及効果、産業力の強化、都市のプレゼンス向上などにあります。ユニークベニューは、東京にこれらの効果をもたらすMICEの誘致拡大において参加者を惹きつける有効なツールであり、MICE振興の重要施策のひとつとして、ユニークベニュー活用を促進するさまざまな取組みを進めています。

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