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JTB総合研究所 交流戦略部 MICE戦略室
主席研究員 小島 規美江

2度目のタイも、人々は親切でフレンドリー、素晴らしいホスピタリティを感じた滞在であった。今回はその上、この国においてMICE 産業がどれほど重要かということを知ることになる。

東京はまだ猛暑が続いていた8月の終わりに、バンコクで開催されたThailand MICE Forumに参加した。バンコクは気温30度。雨季ということもあり、日中もカラリとは晴れず曇っていたが、東京より涼しく過ごしやすい。

会場となったHotel Athenee BangkokはMarriottグループのLuxury Collection の一つである。街の中心地に近く、それでいて周囲に緑が多い静かな場所にある5ツ星クラスのホテルだ。アジアにおいてはよくあることだが、富の象徴でもある冷房は、予想通り強めだった。Thailand MICE Forumは、8月29日の午前9時～午後6時までこのホテルで、タイのMICE 産業の関係者650名を集めて開催された。ここでは、Plenary Sessionの内容について、レポートする。

タイのMICE戦略

Forum の主催者であるTCEB（Thailand Convention & Exhibition Bureau）の会長、Mr. Chiruit Isarangkun Na Ayuthaya のウエルカムスピーチでForumは始まった。タイトルは「Thailand Opportunity: Asia's Top MICE Destination」。タイはこれまでASEANで1位のMICE先進国をめざすと言っていたが、決してアジアNo.1とまでは言っていない。今回のForumには、タイの並々ならぬMICE産業への期待とそれに官民の連携によりアジアNo.1に向かうという意志が現れていた。

タイのMICEを目的に訪問する年間の旅行者は3,140万人。経済効果は544,700millionバーツ（約2兆円）。就業人口は30万人。（タイは入国カードに訪問の目的を記載する欄があり、その中に「Meeting」「 Incentive」「 Convention」「 Exhibition」が選択肢に含まれている。）キャッチコピーは'Transform MICE INDUSTRY to be a National Agenda' MICE産業を国家の重要課題にして行こう！というような意味か？

タイは2017年～ 2036年「20年間の国家戦略」を立てている。MICEは国家の競争力強化戦略における「経済発展のための重要な方策」と位置づけられている。MICE産業の3ヵ年計画では、ビジョン、ミッション、アジェンダ、戦略が示された。