7月、山形での精神文化ツーリズム体験取材の機会を得た。東北地方の日本海側に位置する山形県は東西約97km、南北約164km、その面積は全国第9位(9,323.15k㎡)を誇る。南から、置賜、村山、最上、庄内の4つの地域に大きく区分される。
山形県のHPには、「蔵王、月山、鳥海、吾妻、飯豊、朝日と日本百名山に数えられる秀麗な山々に囲まれ、南から連なる米沢、山形、新庄の各盆地と庄内平野を"母なる川"最上川が流れる、美しい自然に恵まれた地域です。そこでは、人の住む集落、市街地と農地や里山が綾をなし、自然と人間が調和して存在する、"もう一つの日本"が広がっています。
江戸時代、俳聖・松尾芭蕉は『奥の細道』の全行程156日のほぼ三分の一にあたる43日間を山形県で過ごし、その旅は出羽三山をめざした"心の旅"とも言われるように、いにしえの昔から、山形県は精神文化の地とあがめられてきました」とある。
山形県では2015(平成27)年3月に発表された5ヵ年計画「おもてなし山形県観光計画」に、精神文化ツーリズムを含む5つのメインテーマ(重点推進テーマ)を掲げており、こうした取組みが欧米豪と中心とする海外観光客にも評価を得ている。
我々は羽田空港から飛び立ち、1時間で庄内空港に到着。ここから酒田方面には空港連絡バスで35~ 40分、鶴岡方面には約28分。タクシー利用ならJR酒田駅、鶴岡駅まで約25分。ちなみに羽田から各4便の発着/日(全日空)、成田からは各1便の発着/日(ジェットスター)が就航。こうして始まった、3泊4日に凝縮された精神文化ツーリズム取材。ここでは庄内地域で体験した「もう一つの日本での心の旅」から、山形での精神文化ツーリズムのMICE活用を考察したい。