選ばれるデスティネーションとして新たな価値の創造へ
グローバルトレンドと価値観の変化
SDGs( 持続可能な開発目標)は、2015年9月の国連サミットで加盟国193カ国が全会一致で合意した2030年までの国際目標です。持続可能な世界を実現するための17のゴール、169のターゲットから構成され、地球上の誰一人として取り残さないことを誓っています。SDGsは、グローバル社会が取り組む普遍的なものとしてその活動が重視されており、日本のMICE分野においても、行政、企業、大学・研究機関等が共通目標に向けていよいよ大きく踏み出そうとしています。
札幌は、2018年、政府によりSDGs未来都市に選定されました。2001年から、国内でいち早くグリーンMICE推進に取り組み、2017年にはグローバルなMICE環境指標プログラムGDS Indexに加盟するなど、環境配慮型MICEに邁進してきました。
近年、MICE開催においても、社会的価値を対外的に発信したいという主催者側のニーズも増えてきていることを実感します。
例えば、2018年に開催された世界牛病学会(60カ国・地域2,000人)では、獣医不足という地域課題に対し、市民向けセミナーや子ども向けの動物のお医者さん講座、乳しぼり体験、家畜の写真展を行うなど、CSR活動が積極的に展開されました。
学会・企業が実施するMICEは、開催実績のみでなく、経済・社会・環境の3つの観点からも評価される時代となってきており、その外的評価の変化を捉え、地域としても、そのニーズに対応できるプログラムを準備して積極的に提案していくことが求められます。
まずは地域において、これまで個々に取り組んできた活動・内容をSDGsに紐づけして見直し、新たな価値観に訴求できるよう見える化し、さらには、これをビジネス機会と捉えて新たなプログラム開発を行うことで、今後のMICEの国際競争力の強化につなげていくことが重要だと考えます。