月刊「MICEJAPAN」

2018年2月号
MICE3.0 自然災害と国際会議

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JTB総合研究所 主席研究員 東京国際大学
客員教授 太 田 正 隆


先月(1月22日(月))、突然に白根山が噴火した。正確に言えば、「草津本白根山」で、3000年振りの噴火だそうだ。日本には「活火山(概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山のことを言う・火山噴火予知連絡会)」は、111ヵ所ある。年配の方々では、「死火山」「休火山」という言い方を習ったことを覚えている吾人も多いと思う。有史以来噴火の記録がある火山を活火山と言っていたが、火山の活動は数百年、数千年単位の長い活動であり、過去1万年以内の噴火履歴がある火山を「活火山」と定義することとした。(2003年・火山噴火予知連絡会)

こうした専門家の分析や研究によりさまざまな自然現象や災害の評価分析を行い、我々の生活に役立つ情報を提供している。自然災害には地震をはじめさまざまな災害があるが、今回は火山にフォーカスして自然災害と国際会議を考えてみたい。

ちなみに筆者は学生時代に地理学を学ぶ学徒であり、巡検(フィールド調査)で地形地質等の観察や調査、その後の国際会議運営という経験から国際会議誘致と共にマーケティングも考えてみたい。

自然災害について

我々が日常的に遭遇する自然災害には、地震、津波、火山、台風、大雨、竜巻、大雪等多くの災害がある。今年に入っただけでも大雪による交通障害、これらが原因となって通勤通学、流通、生活など多くの障害があった。曰く、雪に弱い大都市から始まり、台風、雨など日常的な災害にも弱く、「都市は自然災害に脆弱である」というのが定説?である。

平成時代はわずか30年間で未曽有の大震災が2回(平成7年・1995年/阪神淡路大震災、平成23年・2011年/東日本大震災)発生した。近代にあっては関東大震災(大正12年9月1日・1927年)が発生し東京・横浜等に甚大な被害をもたらした。1987年(昭和57年)には、関東大震災が発生した日を「政府、地方公共団体等防災関係諸機関をはじめ、広く国民が、台風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波等の災害についての認識を深めるとともに、これに対する備えを充実強化することにより、災害の未然防止と被害の軽減に資するため、「防災の日」及び「防災週間」を設けるとして閣議了解している。

火山災害は、2014年(平成26年9月27日)の木曽御嶽山の噴火が記憶に新しい。不明を含む犠牲者は63名を数え、日本有数の山岳観光地であり、観光シーズン中の出来事で大きな被害となった。被害にあった人々は、秋の登山シーズンに御嶽山を楽しむハイカーや登山者であっため、観光地における災害が注目される火山災害であった。1991年(平成3年)の噴火に際し、大きな被害をもたらした長崎県雲仙普賢岳の噴火活動は史上たびたび記録されていた。前年の1990年(平成2年)に198年振りに噴火、以後溶岩ドームの形成と火砕流の発生危機については想定されていたが、突然の大火砕流が発生し、取材クルー等多くの死傷者を出した。

 


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