岡 雅夫 (本誌シニアアドバイザー)
2年に一度、秋の恒例イベントである東京モーターショーが東京ビッグサイトで開催された。今年も80万人近い来場者を迎え、会場は連日賑わっていた。東の7、8ホールが増設されて面積規模が拡大されての開催となったが、西ホールはトヨタグループが専用ホールのように使用し、新しい東7、8ホールはホンダ、スズキ、ヤマハ、カワサキと部品の一部が配置された。
筆者はプレスデー初日のプレスブリーフィングのトップを飾るトヨタブースに足を運んだが、西ホールのアトリウムは大行列でブースにメディア全員が入り切れるのか心配したが何とか入ることは出来た。しかし、ステージは当然見えず、モニターでブリーフィングを見ることとなった。これほど人を集めた例は未だ見たことはない。出展物もなかなか見どころがあり、新型センチュリーやクラウンコンセプトをはじめ、日本の景色を変えていく「JPNTAXI」、そして東京オリンピックまでに都営バスとして100台以上運行される燃料電池バスなど、もう目の前の将来を感じさせられる展示となっていた。なお、レクサスはそのブランドイメージから東4ホールの外国車エリアの隣に配置され独自の演出を行っていた。
東1~6ホールは乗用車と商用車のエリアとなるが、商用車で初出展となるスカニアは広めのブースに2階建て構造で出展車両もジャパンプレミアを用意し、本格的な日本進出への意気込みを感じさせた。商用車部門では今年はEV指向がかなり進んでいることが挙げられる。乗用車のEV化同様にいよいよトラック・バスも電気の時代へとスピードアップし始めたことが解る。
外国車でひときわ目立っていたのはメルセデスAMG・プロジェクト1というハイパーカーで1台3億円で既に生産される全車両が完売となっているもので市販車としては出展車両の中で最高額となる。出展各社のコンセプトカーも単なる夢の車からすぐ先に市販車としてデビューできるデザインや機能が盛り込まれた展示が増えている。
プレスセンターも従来以上に広い面積が用意されたが、あっという間にテーブルは埋まってしまった。しかし、世界のモーターショーの中でもここまで充実したプレスセンターは無いと言っても過言ではない。