ドイツ・フランクフルトに拠点を置く、国際見本市会社メッセフランクフルトは、6月、2016年の業績と2017年の見通しについての記者発表を行い、2016年のグループ売上高が6 億4,700万ユーロ(約833億円)に達したことを発表した。最高売上高を記録した2015年と同水準で、業績が引き続き好調に推移していることを証明する結果となった。EBITDA( 減価償却前営業利益)は約1億2,400万ユーロ(約159億円)、税引き前利益が約7,400万ユーロ(約95億円)、当期純利益は5,000万ユーロ(約64億円)と、いずれも最高記録を達成した。2016年は417本もの見本市やカンファレンスが開催され、世界中から3,500万人の見本市への来場者を含む4,200万人もの来場者を迎えたことが発表された。
今回の発表に対し、メッセフランクフルトの株主であるフランクフルト市の市長であり、メッセフランクフルト スーパーバイザリーボード チェアマンのピーター・フェルドマン氏は、「2017年現在も当社の業績は順調に伸びており、 本年度の売上げが6億5,000万ユーロ(約836億円)を超える見込みである」と述べた。メッセフランクフルト代表取締役社長兼最高経営責任者ウォルフガング・マルツィン氏は、「今後も成長戦略のための先行投資を続ける」と表明。メッセフランクフルトが強みを持つ産業分野の一つ「テクノロジー・産業技術」のなかでも、特にセキュリティ関連の見本市をさらに強化する事などを明らかにした。なお同社は現在、世界中で11本のセキュリティ関連見本市やカンファレンスを開催している。
あらゆる産業で市場の集中化や企業の合併による再編、デジタル化が進行し、見本市のあり方にも影響が及んでいる。中でも消費財や楽器、自動車やロジスティックスの産業分野の変化が顕著であるとする同社は、顧客各社に合った実践的なサポートの提供を主要な課題と捉え、なかでも楽器と音楽の国際専門見本市「ムジークメッセ」と国際消費財見本市「テンデンス」の強化を図り、今後の市場の動向を見越して見本市の方向性を見直している。とりわけ「テンデンス」は、小売業者により活用しやすいビジネスの場となるようコンテンツや会期を変更。反響は良く、出展者数も1,125社と前年の20%増、展示スペースも92,000㎡と12%増加した。
また、既存の見本市やカンファレンスのブランド力を活かした新規イベントも展開している。例えば「ムジークメッセフェスティバル」は、ミュージックフェスティバルとして2016年夏に誕生。その大成功を受け、2回目の開催準備が進められている。同じく2016年には「コネクテッド・モビリティ・ロードショー」が初開催されている。これはドイツ・中国・アメリカの3カ国で展開され、自動車産業のノウハウを共有するカンファレンスイベントとして注目を集めた。2018年には、街中が光に溢れる祭典「ルミナーレ」が、新たなコンセプトで開催される。