月刊「MICEJAPAN」

2017年7月号
JAPAN MICEのセカンド・ステージ MICE3.0 MICEと博覧会紀行

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JTB総合研究所 主席研究員 東京国際大学 客員教授 太田 正隆

2025年の国際博覧会に立候補している日本(大阪)、フランス(パリ郊外)、ロシア(エカテリンブルグ)、アゼルバイジャン(バクー)の4ヵ国によるプレゼンテーションが、6月14日(水)にパリで開催された博覧会国際事務局(BIE)総会でプレゼンテーションが行われたことをご存知だろうか。このところ2020年のオリンピックの話題が当然ながら多いが、6月の報道で万博に関する記事が多くあったため、オリンピックと同様メガイベントとして知られている万博(国際博覧会)についてMICE的立場から筆者の経験や体験を踏まえて、筆者の万博と国際会議とドキドキワクワクについて紐解いてみたい。

初歩的な話で恐縮だが国際博覧会(以下、万国博覧会という)を主催するのは国(政府)である。これに対してオリンピックを主催するのは都市である。従って、日々新聞や各種報道で馴染みの「東京オリンピック・パラリンピック2020」は、東京都が主催し実務組織として「東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会」を立ち上げて開催する仕組みとなっている。国が多様なバックアップをすることは求められるが、日本政府が主催する訳ではない。但し、政府として主管するのは文部科学省の内局であるスポーツ庁である。

万国博覧会は、経済産業省 商務情報政策局に担当部署を設置。また、海外における万国博覧会への出展等の実務窓口としては、JETRO(独立行政法人日本貿易振興機構)展示事業部が担当する。海外でも数年おきに開催されており、日本も参加(出展している)がオリンピックのように定期的な開催(4年毎)に開催される訳ではないためか具体的な開催国や都市、開催期日等が案外知られていない。ちなみに本年は、6月10日(土)~ 9月10日(日)まで、カザフスタン共和国アスタナ市において「未来のエネルギー」(Future Energy)をテーマに開催されている。約108ヵ国・地域、22国際機関が参加、500万人の来場を予定しているという。

万国博覧会は、国際博覧会条約に基づきBIE(博覧会国際事務局)が承認し開催される。登録博覧会と認定博覧会の2種類があり、登録博覧会は期間が6週間以上6ヵ月以内、認定博覧会は3週間以上3ヵ月以内となっている。また、登録博覧会は少なくとも5年以上の間をあけ、認定博覧会は2つの登録博覧会の間に一回のみ開催されるというルールがある。20世紀頃までは一般博覧会、特定博覧会として最低10年は間をあける等のルールであった。2000年のハノーバー博覧会を最後に一般博という呼称は無くなった。間をあけるのは博覧会の乱立を避けブランド価値や出展の質を担保する意味があるのだろう。


 


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