全国の研究者、自治体、観光協会、コンベンションビューロー、観光コンベンション関連企業、施設等、MICE・集客交流産業の在り方や課題等を地域の立場から議論する場として2006年から毎年開催され、地域から日本のMICEの提言を続けてきた「国際観光コンベンションフォーラム」が、去る3月に新潟で開催された。開催10回目となる節目の年である。今年のテーマは「地域の魅力でMICEを創造」である。今回はこのフォーラムと通じて地域から発信するMICEについて考えてみたい。
国際観光コンベンションフォーラムは、2年後にサミットを迎えた2006年に札幌で産声を上げている。NPO法人コンベンション札幌ネットワーク及び(公財)札幌国際プラザ等が主管となって「MICE・集客交流産業の在り方や課題等を地域の立場から議論する場」として開催されることとなった。特に2008年5月に開催された「北海道洞爺湖サミット」では、前回の「九州沖縄サミット」の福岡(財務大臣会合)、宮崎(外務大臣会合)をはるかに上回る各種の大臣会合が青森、新潟、京都、大阪、神戸、千葉、横浜で開催された。こうした地域の国際化や地域間競争激化等の中で、地方都市における観光コンベンションには、これまで以上に地域文化創造や新たなビジネス創出を図る役割が求められている、という問題意識を踏まえた議論をめざしている。
2009年に松江・米子で開催されたフォーラムでは「日本コンベンション研究会」として全国の研究者、自治体、観光協会、コンベンションビューロー、観光コンベンション関連企業、施設等の関係者が発起人、事務局等のコア業務は札幌国際プラザが担い手となって組織を発足させている。日本コングレス・コンベンション・ビューロー(JCCB)や日本コンベンション協会(JCMA)とは異なる構成と目的を持ち、日本各地でコンベンション創造に関わる産学官、地域を拠点としてコンベンション創造を進めるさまざまな組織が連携する全国的な研究組織である。<