2016年10月19日（水） ～ 21日（金）、シンガポールのマリーナベイサンズのサンズ・エクスポ＆コンベンションセンターで、アジア国際ツーリズム・マーケット展「ITB Asia2016」が開催された。主催はメッセ・ベルリン・シンガポール社で、シンガポール政府観光局（SingaporeTourism Board）、シンガポール見本市コンベンション協会（SingaporeExhibition & Convention Bureau）、Workforce Singaporeが後援する「ITB Asia」は、メッセ・ベルリン社が本拠地であるベルリンで展開する世界最大の国際ツーリズム・マーケット展「ITB BERLIN」のアジア版として2008年に誕生。現在では国際ツーリズムをレジャー、MICE、コーポレートの3分野からフォーカスするアジア国際ツーリズム・マーケット展として成長。MICE 分野においても、その存在感を高めている。ちなみに本誌は、オフィシャルメディアとして「ITB Asia」を支援している。

今回の「ITB Asia2016」には、パナマ、台湾の初出展国を含む世界110ヵ国から846社・団体が出展。来場者は約11,000人で、このうちバイヤーは895人を記録。事前のビジネス・マッチングによるアポイントメント数は15,000以上にも上った。特筆すべきは、会期が「Imex America」と重なっていたにもかかわらず、ホステッドバイヤーの33％をMICEバイヤーが占めたことだろう。そして、もう一点、特筆すべきトピックスはMICE分野でのアピール・商談を目的とする日本政府観光局（JNTO）の出展だ。2011年の「ITB Asia」ではパートナーカントリーを務めた日本だったが、今回は日本からの出展は、先に紹介したJNTOのほか以下の各社。

Agora Hotel Alliance
Global DMC Network by JTB Group
Grand Nikko Tokyo Daiba
Hankyu Travel International Co., Ltd.
Hotel Granvia Kyoto
Hotel Nikko Alivilla
Ishin Hotels Group Co., Ltd.
JTB Global Marketing & Travel（ GMT）
JTB GMT Japan - FIT Online Travel
Kyoto Hotel Okura
Next Japan Travel
Nippon Travel Agency Co., Ltd.
Niseko Alpine Developments
Okura Nikko Hotels
RIHGA Royal Hotels
Swissotel Nankai Osaka
Travel Design

それぞれに、熱心な商談を展開していた。

会場を歩いて感じることは、パートナーカントリーのフィンランドをはじめ各国のナショナルパビリオンの力の入れようだ。国としてのブランドメッセージを発信し、その中で出展各社が商談を展開しており、ひしめき合うテーブルの数に「ITB Asia」にかける思いやパワーを感じる。こうした中で、会場に散らばる日本からの出展ブースは、発信力の点で劣ってしまうのは否めなく残念に思った。

さて「ITB Asia」の魅力は、展示会場での商談ばかりでない。レジャー観光、MICE、ビジネストラベルに関する世界のトレンド、また業界ビジネスの革新化、高効率化、最適化を考察・共有する高質なセミナーやネットワーキングの数々。展示会場で展開されたディスティネーションショーケースには、フィンランド、タイ、インドネシア、ラオス、オーストラリア、アルゼンチン、韓国、ペナン、インド等が登壇。特にMICEに関連するセミナーについては、別表を参考にいただきたい。会場内にもプレゼンテーション・セミナーコーナーもあるが、このショーの構造上、マリーナベイサンズのサンズ・エクスポ＆コンベンションセンターは、多数のセミナー吸収し、展示会場とセミナー会場を上下移動でつなぎ、オフィシャルホテルのマリーナベイサンズ、地下鉄、ショップやレストランが接続される点で機能的な会場だと実感した。

▼ 続きは本誌でご覧ください。