弊社の社名にも用いられている"MICE"
という言葉。日本においても今では政
府を始めとして多くの一般メディアな
どでも「MICE誘致の強化へ」などと
報道されることも増えてきた。一方で、
このMICEという言葉はかなり広い範
囲のビジネスをカバーする言語であり、
いつでも容易くこの言葉を用い、また
広義に理解してはいけないことにも留
意しなければならない。
例えば日本の企業ではよく「MICE
事業部、MICEチーム」なるものが存在
するが、彼らが行っているビジネスはい
ったい何なのか、これでは海外では理
解されない。ビューローであれば、C&I
(Corporate meetings & Incentives)担
当者なのか、Association担当者なのか、
Exhibitions担当者なのか、Events担当
者なのか、これを明示しない限りクラ
イアントはディスカッションを行ってい
る相手が、自分が話すべき相手である
のかどうか判断ができない。また旅行
社の場合も同様で、MICE事業部とは
アウトバウンドを担当しているのか、イ
ンバウンドを担当しているのか、扱う
顧客はコーポレートなのかアソシエー
ションなのか等、筆者も実際に海外の
DMCと話をする際にまず確認する点が
この部分である。海外でのネットワー
キングは、限られた時間でいかに自分
がリーチすべき対象にアクセスできる
かという点が非常に重要であり、名刺
の表記一つをとっても、自分のビジネ
スをきちんと明確に示しておく必要が
ある。
弊社ではMICEジャパンという社名
を用いているが、その言葉通りC&I、
Association、Exhibition、Event すべ
ての分野においてクライアントを有し、
ビジネスを行っている。一方で、日本
にはMICEという言葉を用いてビジネ
スを表現する企業がかなり増えてき
ていると感じているが、そのビジネス
の実態は果たしてどのようなものなの
か? アソシエーションマーケットのみ
を対象に主にビジネスを行っている企
業も"日本を代表するMICE企業"であ
り、また展示会のみを対象にビジネス
を行っている企業も"日本を代表する
MICE企業"となっている(またここに
は国内市場をメインに活動を行う企業
も多々含まれる)。さらにはB2C が主な
対象となるイベント向けにサービスを
提供している企業まで"MICE企業"と
なってきた。