4月6日(水)から9日(土)までの3日間、Shanghai Convention & Exhibition Centerof International Sourcingにおいて、記念すべき第10回目となるIT&CM Chinaが開催された。夏に北京で開催されるCIBTM(今年は9月上旬)と並ぶ中国における2大MICEトレードショーであるIT&CM Chinaは、中国バイヤーの獲得のために日本パビリオンを含む多くの海外パビリオンが活発なセールス活動を繰り広げた。今回は現場の様子をリポートすると共に、中国で進化する次世代型インセンティブ旅行及び中国アソシエーションマーケットについてレポートする。
中国のMICEマーケットというと、現在も多くのビューローがその動向を追っている何千人規模のインセンティブや大規模な展示会が想像できるのではないか。しかしながら、状況は少しずつ変化してきているようだ。スターウッドホテルズ&リゾートの中国本土におけるセールス&マーケティング部門のバイスプレジデントであるMr. Wendy Huangは、2015年の中国国内のMICEマーケット動向を、観光的要素が強かったインセンティブから、次第にトレーニングを中心としたコーポレートイベントや学協会ミーティングにシフトしてきていると分析している。
また、昨年、the GlobalBusiness Travel Association (GBTA)12 MICE Japan 2016・6月号ティブ旅行を行った際、地元の幼児施設において、若手のスタッフが中国料理を作って子供たちにふるまうというCSR活動を行ったという。この活動は子供たちにとってはもちろん、若手のスタッフにとってもその企業で働く意義を見つめなおす良い機会になった。さらに地元でのCSR活動がきっかけとなって、インセンティブ主催企業が南アフリカにおいてビジネスチャンスを見出したという。
また、Joost氏はこのような例に関して、改めてインセンティブ旅行が有する価値を見出せるものであるとし、従来の観光重視のインセンティブ旅行から、ミーティングやCSRなどのプログラムを加えた価値創造の重要性が示唆された。インセンティブ旅行は、あくまで企業の目的を達成するための一つのツールであり、中国マーケットも大規模なパーティー +観光という極めてレジャーマーケットにおける団体旅行に近いインセンティブ旅行から、Alicia氏が取り上げたような事例が増加してきていることを考えると、マーケットそのものが成熟し始めていることがうかがえる。
こうした状況を考えると、中国のインセンティブ団体を誘致するためには、今まで以上に主催者の目的を理解すること、さらにはその目的達成にデスティネーションがいかにサポートできるかの訴求が必要とされるであろう。