4月19日(火)~ 21日(木)、ドイツのメッセフランクフルトにおいて、世界最大のMICEトレードショーの一つであるIMEXが開催された。今回は、IMEXにおいて改めて認識したMICE(ビジネスイベント)誘致に取り組む意義について考えてみたいと思う。

ここ2~3年の間、世界各国でMICEを観光産業の一部として捉えるのではなく、より広域に経済・社会へ影響を与えるプラットホームとして、その価値を見出す活動が活発化している。ドイツ、ロンドン、カナダ、南アフリカや、アジアパシフィックではシドニー、メルボルン、シンガポール、マレーシア、香港などが、この点においては先進ビューローとして挙げられる。今回のIMEXでは、弊社のビジネスに関連してドバイのビューロー(Dubai Business Event)の責任者 Steen Jakobsen 氏とミーティングの機会があった。日本のビューローにとって非常に参考になるビジョン・ミッションを有しているため、ここで紹介したいと思う。

Steen氏によると、ドバイ政府はオイルマネーで潤沢に潤っている現状が長くは続かないことを理解し、石油に支えられる経済モデルから情報と知識に支えられた知的経済モデルへの転換を行っているという。その重点産業分野は教育、ヘルス、エネルギー、交通、航空宇宙、水産業であり、ドバイ政府はこれらの産業分野に対してオイルマネーを集中的に投資することにより、国家としての持続的成長モデルを確立しようとしている。

このような状況の中で、コンベンションビューローが果たす役割はいかなるものなのであろうか？MICEを主催する企業や学協会は、言うまでもなく上記のような特定の産業分野において都市を発展させる際に非常に重要な役割を果たす。しかしここでの役割は、単に一人当たり消費額が大きなビジネスイベント訪問客を誘致するということではない。都市発展のための"キープレイヤー"をデスティネーションへ誘致するプラットホームがMICE(ビジネスイベント)であり、これを誘致するために尽力する部隊がコンベンションビューローである。

また、コンベンションビューローは、MICEを誘致するためにデスティネーション自体を強化する役割を果たすことが求められ、ここにはサプライヤー(PCO、DMC、ホテルなど)のトレーニングや、ローカルホストとなる学協会の強化、特に国際化支援などが含まれるドバイでは、コンベンションビューローに加えて、昨年Dubai AssociationCenterを設立。

Dubai Business Events(ドバイコンベンションビューロー)、Dubai Chamber of Commerce、DubaiWorld Trade Centerが共同で立ち上げたDubai Association Centerは、ド バイへ国際学協会の中東地域本部を誘致する組織である。このパートナーの顔ぶれから見てもわかるように、ドバイは都市を発展させるプラットホームとしてMICEを評価し、都市発展というピラミッドの最上段に位置する目的達成のために、コンベンションビューローが誘致活動を行い、地元学協会の強化を図っている。

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