第2回
変わり続ける指標の中で ― 10年間の軌跡
この10年間で、GDS-Indexの指標は量・質ともに大きく変化してきました。2016年は指標数がわずか33項目。札幌は環境分野に強みがあり、スコア59%という好調なスタートを切りました。
最初の大きな変化は2019年でした。新評価基準が導入され、従来のコンベンション中心の内容から、観光MICE全体を含む構成へと拡張されたのです。指標数は71項目となり、現在の4分野の一つである「DM(デスティネーション・マネジメント)」もこの時に新設されました。この変化とコロナ禍による影響も加わり、この時期は札幌のスコアが伸び悩みました。それでも、実行可能な取り組みを積み重ねることで、スコアは少しずつ上昇していきました。
私がGDS-Indexを担当し始めたのもちょうどこの頃(2022年)です。GDS-Academy*というオンライン教育プログラムに参加する機会に恵まれ、指標をより深く理解できるようになったことから、自組織でも新規採用者へのオリエンテーションや既存スタッフのレベルアップなど、サステナビリティの人材育成に力を注ぎました。
そして2024年、2回目の大幅な指標見直しがありました。定番化していた項目が削除され、気候変動対策などの新たな内容が加わったことで、難易度が一段と上がりました。その影響で、札幌のスコアも一時的に低下してしまいました。しかし、新しい指標が求めることを理解し、粘り強く取り組みを続けた結果、翌2025年には69.5%(約70%)と過去最高スコアに到達しました。この10年、札幌はまさに「変化に育てられた」とも言えるでしょう。
札幌では、GDS-Indexが市の施策におけるKPIに位置づけられており、指標変化の影響は決して小さくありません。それでも、この変化こそがGDS-Indexの醍醐味だと捉えています。GDS-Movementがグローバルな視点から未来の方向性を指標に落とし込み、加盟都市がその変化を自らの課題として受け止めていく。この循環の中で、札幌のサステナビリティの取り組みは一歩ずつ進化を重ねてきました。