7年ぶり4度目の日本開催
フォトニクスは、簡単に言うと光です。光は目で見ることができ、音も聞こえます。しかし電磁波、つまり電波は見ることも、聞くこともできないためイメージがしづらい。この光と電波に関する研究者が集い最先端の研究発表、情報交換を行うPIERSは、世界50~ 75ヵ国から1,000~ 1,600人が参加する、この分野における世界最大規模の国際会議です。
米国マサチューセッツ州ケンブリッジ市に本部を置く電磁波工学アカデミー(The Electromagnetics Academy)が主催し、第1回を1989年に米国マサチューセッツ州ボストン市で開催。以来毎年1~ 2回開催され、日本は2001年7月( 大阪)、2006年8月( 東京)、2018年8月(富山)と3度の開催経験を有し、いずれも国内外から高い評価を受け電磁波工学アカデミーは重要な成功例として認識しています。
PIERS 2025 Chibaの誘致に当たっては、(一社)電磁情報通信学会PIERS 国内委員会で2021年4月より4回目の日本開催についての検討を重ね、同年12月にPIERS 2025招致委員会を設置しました。その後、PIERS国内委員会、(公社)ちば国際コンベンションビューロー(以下:CCB)と連携し開催計画を策定。2022年7月、観光庁、JNTO、千葉県、千葉市、CCB、幕張メッセからの招請状発出を受け、オールジャパンの体制で提案書を提出しました。そして2022年11月、中国・成都で開催されたPIERS運営委員会において、日本開催としては7年ぶりとなる2025年、千葉・幕張メッセでの開催が決定しました。
競合都市は中国(三亜)、チェコ(プラハ)、ブルガリア(ヴェリコ・タルノヴォ)。実はいずれの都市の関係者とも古くから親しい間柄で、正直に言えば互いに闘いたくはなかった。そこで日本での開催決定が見えてきたときに、チェコ・プラハは2023年に開催し、中国は都市を蘇州に代えて2026年の開催地とすることで解決を見出しました。
なおPIERS 2025 Chibaは、「マイクロ波・光波コミュニティの協働:千葉から世界への最先端の研究成果の発信」をメインテーマに、(一社)電子情報通信学会と日本学術会議が電磁波工学アカデミーと共に主催開催します。わが国におけるフォトニクス・電磁波工学、また広く電波科学全般における最新の先端研究の成果を世界に向けて発信する絶好の機会であり、世界におけるこの分野の研究の発展に大きく資するものと期待しています。また同時に、世界に数多くある電磁波工学関連の国際会議の発展とともに、千葉市における産業、関連技術の発展にも大きく貢献することができると確信しています。