月刊「MICEJAPAN」

2023年3月
福岡市のMICE発展における未来と展望

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福岡市を取り巻く環境とMICE発展の変遷
福岡市は、2千年にわたり大陸との国際交流窓口の役割を果たし、アジアを中心とした海外との交流の中で大きな発展を遂げてきた長い歴史を有する都市です。第3次産業が9割を占める特殊な産業構造である福岡市において、さらなる経済の発展、都市成長を図るためには、交流人口の増加による経済の活性化が不可欠となっています。

特に、観光・MICE産業による経済活動の裾野は広く、都市全体が成長していく原動力となることができることから、福岡市基本計画においてMICE拠点の形成を施策の一つとして掲げるとともに、2018年9月には福岡市観光振興条例を制定し、同条例に基づき、観光・MICEの取組みの方向性を示した「観光・MICE推進プログラム」を策定するなど、観光・MICE施策の推進に注力しています。

具体的には、1981年に福岡国際センター、福岡サンパレス、1995年にマリンメッセ福岡A館、2003年に福岡国際会議場、2021年にマリンメッセ福岡B館と、ウォーターフロントエリアのコンベンションゾーンにおいて、展示場・会議場・ホールなどの施設が徒歩圏内に一体的・機能的に配置された「オール・イン・ワン」のMICE拠点をめざし、MICE施設等の整備を進めるとともに、質の高いMICEの誘致・開催を推進するため、誘致主体として、2014年4月に(公財)福岡観光コンベンションビューローにMICE誘致の専門組織であるMeeting Place Fukuoka(MPF) を設置し、産学官民が連携して国内外の誘致案件の調査・営業から、主催者に対する提案や会場の予約等のサポート、開催・受入支援やユニークベニューの活用、ビジネスコーディネートまで、ワンストップで行っております。

その結果、福岡市では、G20福岡財務大臣・中央銀行総裁会議、第99回ライオンズクラブ国際大会をはじめとする数多くのコンベンションや、ラグビーやバレーボールのワールドカップなどの国際スポーツ大会が開催され、国際会議の開催件数も全国4位( 2019年) となるなど、福岡市の交流人口の増加や都市ブランド力の向上に貢献してきました。

MICE需要の回復に向けて
しかしながら、新型コロナウイルスによる需要低下などにより、本市のMICEを取り巻く環境は厳しくなっていることから、現在改定作業中の観光・MICE推進プログラムにおいて、「コロナにより失われた観光・MICE需要の回復」と「SDGsに資する観光・MICEの推進」を今後の取組みの視点とし、インバウンド市場の回復を図りつつ、新たな国・地域からの誘客に取り組むとともに、世界共通の目標であるSDGsへの貢献に取り組んでいくなど、多様性・包摂性に対応し、来訪者の満足度を高めるだけでなく、豊かな市民生活につながる持続可能な観光・MICEを推進することとしています。

福岡市・(公財) 福岡観光コンベンションビューローの2023年度の取組みとしては、7月に世界水泳選手権2023福岡大会、8月に世界マスターズ水泳選手権2023九州大会が開催されることから、来訪者の回遊促進・観光消費拡大のため、インバウンドを含めた、受入環境を充実していくこととしています。

また、MICEの開催を促進するために、3種類の助成金のメニューを用意しています(別表参照)。これらの助成制度だけではなく、各種開催支援のメニューも用意していますので、福岡市での開催を検討される場合は、ぜひご相談いただければと思います。

 


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